フォトエッセイ 残像の記録 5



舞妓さんに会える街・京都

 京都に生まれ住んで良かったと思えることの一つは、到る処で大切に残されている日本の歴史や文化を肌で感じとることが出来るということです。

 舞妓さんは300年も前から続いている日本の伝統文化の一つとして国内外の文化人にもよく知られ、今や日本の特別天然記念物と言ってもよい存在になっています。

 京都でしか見られない愛らしい舞妓さんや舞妓さんが目指している一人前の芸妓さん達が暮らし、日夜お客をもてなす街を花街と言い、中でも格式の高さで知られるのが祇園花街です。

 この写真は2011年1月末の夕刻、祇園の中心地、花見小路で向こうから歩いて来られる舞妓さんの姿を撮ったものです。梅のような花かんざしが見えています。花かんざしを見れば季節が分かります。


 舞妓さんになるには花街で生まれ育った女性以外にも、最近では中学卒業後すぐの「舞妓さん」志望の女性達が全国から集まって来ます。

 ところが、15歳から約5年間続く昔気質のつらい修行や稽古事に耐えかねて辞めてしまう舞妓さんも多く、目出度く芸妓さんになられるのは年に数える程の人数だそうで、絶滅危惧種にならないことを切に祈るばかりです。

 下の写真は二条城で私の前を行く舞妓さんたちです。舞妓さんの象徴である長さ5mもある「だらりの帯」、自毛の京風髪型と「花かんざし」、厚底の桐下駄「おこぼ」などが良く分かります。
                          栗原 眞純
 
・・・ かにかくに 祇園はこひし 寝るときも 枕のしたを 水のながるる ・・・ 吉井 勇

                        

随筆集目次へ    

inserted by FC2 system