フォトエッセイ 残像の記録 6

メジロ

サ ク ラ と メ ジ ロ

 春の到来を告げるに相応しい、早咲きのサクラやウメの木に集まるメジロが花から花へと蜜を求めて飛び回る様をみると、なんとも穏やかであたたかな心地がします。

 このやや萎れかけたサクラは3月中旬、桃山城公園で撮影しました。ウメにウグイスという語句がありますが、ウグイスは薄い茶褐色をしたとても用心深い鳥で、隙間だらけで人目につくウメやサクラの木にはめったに来ず、低い藪の中で小動物を好んで食べます。ですから撮影するのがとても難しい鳥なのです。

 それに対してメジロは所謂ウグイス色で、比較的人なつこく、密を吸ったり花をついばんだりするのでウメやサクラの樹上でよく見られます。このサクラはカンヒザクラと言って沖縄ではサクラと言えばこのサクラを指すのだそうです。

 でも、ウグイスが絶対にウメの木に来ないかというとそうでもありません。「ヒデさん」が見事な「ウメにウグイス」の写真をものにして居られます。「残像の記録・ホームページ版」から下線部をクリックするとその珍しい写真を見ることが出来ます。

 ウメにウグイスという言葉は単に早春を代表する花鳥を表現したものと考えれば良いでしょう。枕草子風に言えば、「春はあけぼの 梅にうぐいすこそいとをかし」 ということになるのでしょうか。江戸時代末期にソメイヨシノが人工交配により誕生する以前は、花と言えばウメというのが普通だったようです。

 余談ですが、ウグイスの糞に豊富に含まれている、細菌の細胞壁を分解する酵素、リゾチームは、ペニシリンを発見したフレミングにより1922年に発見されました。

                         栗原 眞純

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