フォトエッセイ 残像の記録 16

 高知県の西部を流れる清流 四万十川の南西部にあたる四万十町、十川(とおかわ)のこいのぼり公園で、毎年4月下旬から5月上旬にかけてこいのぼりの川渡しが行われます。


 その始まりは、こいのぼりを揚げてもらえない子供たちが多いのを知った十川体育会の青年たちが全国の体育会に呼びかけてこいのぼりを集め、苦心して幅250mの川越しに往復650mのワイヤーを渡し、昭和49年から始めたもので、こいのぼりの川渡し発祥の地なのだそうです。


 500匹ものこいのぼりが川幅の広い四万十川を挟んで清らかな風に泳ぐ様はなんとも気持ちのよいものです。


 平成9年には、ナイアガラの滝に近いナイアガラ川でこいのぼりを泳がせるという壮大な計画を立て、十川体育会と地元のボランティアが、川幅260メートルのナイアガラ川、レインボーブリッジ近くに200匹のこいのぼりを泳がせることに成功しました。


 流れの穏やかな四万十川と違い、流れが速く川幅も約260mあり、作業は難航しましたが、カナダからアメリカへ国境を越えて泳ぐその雄姿は多くの人々を魅了したということです。

こ い の ぼ り      

 今年で40年目を迎え、こいのぼりが大空へ舞い上がったり四万十川へ逃げ帰ったりと行方不明になるものが多く、数が少なくなり今後の開催が危ぶまれています。もしもどこかに眠っているこいのぼりがありましたら、ぜひ譲って上げて下さい。


 問合せ先は、四万十町役場十和総合支所・地域振興課 Tel:0880-28-5111です。


 昨年12月に高知自動車道が四万十町まで開通し、高知市から車で1時間と便利になりました。行かれる方は四万十町中央ICで高速道路を出てください。四万十市と四万十町は互いに隣接していますが別の自治体です。
                                                   

            栗原 眞純                                随筆集目次へ    

inserted by FC2 system