フォトエッセイ 残像の記録 22



瓢 湖 の 白 鳥

 新潟県のほぼ中間地点に当たる阿賀野市にある瓢湖へ白鳥を撮りに行って来ました。

 瓢湖は、元来干ばつの被害をなくすために1639年人工的に作られた周囲1,230mの農業用水池でしたが、1950年から遠くシベリアから白鳥が飛来、越冬するようになりました。

 1954年吉川重三郎氏が野生の白鳥の餌付けに全国で初めて成功され、同年3月、国の天然記念物に指定されました。 今では毎年5千羽以上の白鳥が10月から3月にかけて越冬して行きます。

 2月下旬から3月にかけてシベリアに帰り、5・6月頃産卵、ヒナをかえし、秋になるとヒナを連れ、餌を求めてサハリンから北海道に集結し、10月上旬さらに南下して瓢湖にやってくるのです。

 白鳥は、夜間、動物に襲われる心配のない安全な瓢湖で眠ります。朝になると周辺の田畑の落ち穂や河川の水草を食べに行きます。そして毎日3度のエサまきの時間になると、我先にと瓢湖のエサ場に戻ってくるのです、エサまきが始まると周囲は他種の水鳥を混じえてたいへんな騒ぎになります。

 野鳥に餌付けをすることには賛否両論がありますが、丹頂やコウノトリ、トキなど油断すると絶滅に至る環境では人間が給餌することもやむを得ないことかも知れません。

 瓢湖近くには温泉もあり、シーズン中は毎朝白鳥見学のための無料バスが出ています。これを利用すると日の出と共に数千羽の白鳥が飛び立つ感動的なシーンが見られます。

                                        栗原 眞純
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