フォトエッセイ 残像の記録 25



志 摩 の 海

 志摩の海は、伊勢湾から流れ出る栄養豊富な海水と、南方から来る温暖な黒潮がほど良く混ざり合い、一方では水深が浅く、太陽光が海底までとどき、内湾で波も穏やかという浅海漁業に恵まれた環境にあり、縄文時代から漁業が栄えていたと言われます。

 好条件に合わせて行われる真珠貝、牡蠣、海苔などの養殖業は、伊勢志摩の海を利用した代表的な産業です。写真はその中でも最もよく知られた英虞湾の風景です。見えているのは真珠養殖いかだです。英虞湾は古くから天然真珠を産出していました。御木本幸吉が世界で最初に真珠養殖に成功したことはあまりにも有名です。

 大王崎は志摩半島の東南端にあり、古くから遠州灘と熊野灘から荒波が押し寄せる海の難所でしたが海上交通の要衝でもあったため、灯台の建設が急がれ、1927年10月から点灯が開始されました。

 その後1978年には大改修が行われ右の写真のような姿になりました。

 太平洋を望む観光や写真撮影のスポットとして、また海の安全を守る灯台として今も活躍しています。

 ここから海を眺めていると、沖から来る船がマストの先から徐々に現れることで地球の丸さが分かると言われます。

 2004年4月には、高性能のレーダーや通信設備が設置され、東海地方で最後まで残っていた「燈台守」の姿が消えました。

 日本で最後まで残っていた長崎県五島市の女島灯台も2006年、無人となりました。
                             栗原 眞純
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