フォトエッセイ 残像の記録 28



八 幡 平


 今回の写真は標高1500mほどの奥羽山脈北部の岩手県と秋田県にまたがる山群である八幡平、10月初旬の見事な紅葉です。

 八幡平はおよそ100万年前に噴出したいくつかの火山で出来ています。広い高原のあちらこちらに様々な形の火山由来の小さなピークがそびえ、その間に無数の沼や湿原が点在しています。山域は1956年に十和田八幡平国立公園に指定されました。

 ほとんどが手つかずの山岳公園で、アオモリトドマツやブナの原生林、山稜、火口沼、湿原、噴気などの自然環境によって多様な動植物の生態系が形成されています。

 秋になるとアオモリトドマツの樹海の中に、黄色い葉をつけたダケカンバの白い樹幹が浮き上がって見えてきます。

 その上、八幡平一帯の紅葉・黄葉はどこよりも色の種類が多いことでも有名です。

「ミエカエデ」「ナナカマド」「ホツツジ」「ハナヒリノキ」など、真っ赤や美しいオレンジ色、黄色に色づく低めの樹木が多いだけでなく、「ササ」や「ハイマツ」「アオモリトドマツ」といったグリーン系の樹木があるからこそ色づいた木々が美しく映えるのだと思います。

 また、八幡平から北へ約100kmにある十和田湖に源を発し、太平洋に注ぐ奥入瀬渓流にはいくつもの滝が点在し、渓流沿いの遊歩道からは独特の美しい景観を楽しめます。ここは国の特別名勝及び天然記念物に指定されています。

                                        栗原 眞純            随筆集目次へ

 PS.ここで小生たち鴨沂高校八期クラスメートの有志3名で写真と日本画のコラボ、「三人展」を開催することをPRさせて頂きます。会期は10月29日(水)〜11月4日(火)、場所は京都祇園 四条通南側 南座から約50m東 「西利ぎゃらりい」です。お越し頂ければ望外の喜びです。                   

                                                 
    

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