フォトエッセイ 残像の記録 29



圓 光 寺
(水中の秋)

 11月に相応しい京都の鮮やかな紅葉を期待して左京区一乗寺にあって若い人にも人気の出てきた禅寺、圓光寺に行って参りました。圓光寺の始まりは1601年徳川家康が京都伏見に教学の発展を目的とした圓光寺学校を建立したことでした。学校には僧俗を問わず入学が許されました。

 1967年、現在の左京区一乗寺に移転し、明治以降は日本で唯一の尼僧専門道場となり、その当時の禅堂が現存し、今も日曜日の早朝から一般人を対象とした座禅会が開かれています。

 寺内には数々の重要文化財が保存、一部は展覧されていますが、中でも特筆すべきは日本最古の木製活字五万個でしょう。この活字を使用して出版された「伏見版」と呼ばれる数多くの儒学・兵法関連の書物もあります。

 山門を入ると枯山水「奔龍庭」が広がり、更に中門を抜けると苔と紅葉で有名な「十牛之庭」や、今回の撮影対象である、紅葉に囲まれた「栖龍池」が眼を楽しませ、「水琴窟」が耳を楽しませてくれます。

 上の写真は上下間違って表示されたのではありません。紅葉とそれを見ながらそぞろ歩く人たちの全てが「栖龍池」に美しく映り込んでいる所を撮影したものです。下の写真は殆ど朱色ばかりの写真です。モニターによっては「赤つぶれ」を起こし、紅葉の一枚いちまいがしっかり見えないこともあります。 紅葉の見頃は11月中旬から下旬なので今からでも充分鑑賞出来ます。 栗原 眞純  随筆集目次へ 
      
PS.今回も小生たち鴨沂高校八期クラスメートの有志3名で写真と日本画のコラボ、「三人展」を開催することをPRさせて頂きます。会期は10月29日(水)〜11月4日(火)、場所は京都祇園 四条通南側 南座から約50m東 「西利ぎゃらりい」です。お越し頂ければ望外の喜びです。

                                                 

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