フォトエッセイ 残像の記録 30



新 舞 子 浜

 兵庫県たつの市にある新舞子浜周辺は遠浅で多くの海水浴場があり、潮干狩りにも適していることで知られ、瀬戸内海を見渡す瀬戸内海国立公園の一部にもなっています。

 大潮の干潮時には500mほども潮が引き、広大な干潟が出現します。写真愛好家にとっては海水浴や潮干狩りよりも、朝日が昇るにつれ現れてくる幻想的な風景が恰好の被写体となります。

 私もその風景を撮りたくなって、冬至に近い休日の深夜3時半に大津市の自宅を車で出発しました。
 

 現場には5時前に到着し、適当な場所にカメラを据え、干潟が現れるのを暖かい車の中で、今か今かと待ちました。

 6時頃から明るくなり始め写真のような風景を撮ることが出来ました。

 晴れていて、もうしばらく待って居れば、干潟の水面が太陽に照らされて金色に輝く筈なのですが、あいにくこの日は曇り空だったので私はこの写真を撮ってすぐ、後ろ髪をひかれる思い
で7時過ぎにこの場を離れました。

 あと1時間待てば良かったかな、などと思いながら・・・。

 実際、そこにはまだ、もしかしたら陽がさしてきて金色模様が現れるかも知れないと考えて残って居られる、ご覧のような大勢のカメラマンの姿がありました。
                             栗原 眞純
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