フォトエッセイ 残像の記録 31



八 ヶ 岳

 初春の八ヶ岳は大変美しいと聞いて長野県諏訪湖から八ヶ岳の東端にあたる清里まで360度が見渡せる素晴らしいパノラマ風景を眺めながらドライブして見ました。

 八ヶ岳というのは長野県から山梨県に至る南北30km余に及ぶ広い範囲に連なる多くの山々を総称して付けられた地名です。

 大ざっぱに言えば標高3,000m位の山々が連なり、急峻な地形を見せる南八ヶ岳と、なだらかな峰々が多く、樹林帯が山稜近くまで続く北八ヶ岳に分けられます。

 写真は南八ヶ岳を俯瞰して撮影したものです。北から順に、赤岳、横岳、阿弥陀岳、権現岳など多数の山岳があるのですが、どれがどれにあたるのかは私にはよく分かりませんでした。

 しかし聞いていた通り、これらの地域をドライブするだけで刻々と変わる山々の美しさに癒やされ、心身共リフレッシュした爽快感を満喫することが出来ました。

 大昔、富士山と八ヶ岳が大喧嘩をして、富士山が勝ち、八ヶ岳はいくつもの山塊にバラバラにされて今の姿になったという言い伝えがあります。

 下の写真は清里のシンボルである清泉寮から見た富士の日没5分前の姿です。

 1938年、90万坪にも及ぶ火山性の荒れ地であった八ヶ岳斜面の開拓と放牧・酪農に生涯を捧げた米人、ポール・ラッシュは、この富士と周辺の山々の景観に魅せられ、開拓地の一角に居を構え、そこが清泉寮と名付けられました。


                                    栗原 眞純


                                        
           随筆集目次へ
                  

                                                 
    

inserted by FC2 system